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Heartseed CEOの福田恵一が日本医師会医学賞を受賞しました。

このたびHeartseed株式会社(以下Heartseed) 代表取締役社長(CEO)の福田恵一(慶應義塾大学医学部循環器内科教授)は、2022年度日本医師会医学賞を受賞いたしました。なお表彰式は去る2022年11月1日に日本医師会館にて行われました。

福田は、1983年に慶應義塾大学医学部を卒業し、1987年に博士号を取得しています。ハーバード大学やミシガン大学への留学を経て、2005年に慶應義塾大学医学部再生医学教室の教授に就任し、2010年から同大学の循環器内科の教授を務めています。

日本医師会医学賞は、医学上重要な業績をあげたものに授与されるもので、今回、福田は「難治性重症心不全に対する再生心筋細胞移植による新規治療法の確立と産業化」の研究題目で受賞しました。

福田は大学病院で診療を行う中で、心臓弁膜症・虚血性心疾患等は新規治療法が開発され患者が救命される一方、重症心不全の患者は有効な治療法が限られていることを認識し、科学の力で心不全患者を救う治療法を開発しようと考えました。そのために必要な最新の細胞生物学、分子生物学の知識を身につけるべく、当時、遺伝子レベルの研究が癌領域で進んでいたことから、国立がんセンター研究所に国内留学しました。心臓には癌ができないため、循環器内科医でがんセンターに留学した前例は存在しませんでしたが、ここで最新の技術を習得し、さらに、米国ハーバード大学、ミシガン大学で研鑽を積みました。

福田は1995年に米国留学から帰国以来、一貫して「心筋再生医療」という領域に挑み続けています。1999年に世界で初めて、骨髄間葉系幹細胞から心筋細胞を作製することに成功し、再生医療の可能性を切り拓きました。以降、高純度の心筋細胞を大量に製造するために、ES細胞やiPS細胞を用いた研究にシフトし、心筋細胞への効率的な分化方法や残存するiPS細胞や心筋以外の細胞を除去する純化精製方法など、基礎研究の成果をトップジャーナルに発表してきたことに加え、心筋再生医療の実用化、産業化に必須な独自技術を開発してきました。

福田は心不全に苦しむ患者さんを一人でも多く救うために、これらの成果を産業化・一般医療化するためにはどのような道がベストなのかを考えた結果、医学部教授としての臨床、研究、教育に加えて、日本発の心筋再生医療の早期産業化、世界展開のために、リスクはあっても自ら会社を立ち上げ、経営者となることが最速・最善の道だとの結論に至り、2015年にHeartseed株式会社を設立し、代表取締役社長に就任しました。これにより研究開発の推進に加え、大手製薬企業との提携を含めた事業開発や資金調達、組織体制の強化をリードし、現職の医師、研究者がバイオベンチャーの経営者となる新しいロールモデルを示してきました。

この度の受賞について、福田恵一は以下のように述べております。

「この研究を始めた当初は夢物語の研究と思われていましたが、科学の力で一歩一歩課題を克服し、臨床応用できるまで漕ぎ着けることが出来ました。この授賞は大変名誉なことであり、嬉しく思っております。これを機にさらに技術を飛躍させ、世界で心不全に悩む方々の力になりたいと考えています。」 

福田は、中小機構が優れたベンチャー企業の経営者を表彰する 「Japan Venture Awards (JVA) 2021」 において「科学技術政策担当大臣賞」を、国立研究開発法人 科学技術振興機構 (JST)、国立研究開発法⼈ 新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) 主催の「大学発ベンチャー表彰 2021 Award for Academic Startups〜」において最優秀賞に相当する「文部科学⼤⾂賞」を受賞しております。

 Heartseedは、リードパイプラインである他家iPS細胞由来心筋球(HS-001)の、虚血性心疾患による心不全を対象とする治験(LAPiS試験)を進めております。今後も福田恵一のリーダーシップのもと、「再生医療で心臓病治療の扉を開く」をミッションに、役職員一同あゆみを続けてまいります。